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なぜ腹は出るのか?
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「一見、太っては見えないのにお腹だけはしっかり出ている方、結構いますよね?
30歳をすぎると、お腹を気にしていない人を探すほうがむしろ難しいでしょう」とは近著『腹だけ痩せる技術』が話題の健康運動指導士の植森美緒氏。
いったいオーバー30の男性の腹を膨らます元凶とはなんなのか。

「必要量以上のカロリーを摂ると脂肪となり、その保管先として女性は皮下、男性の場合は内臓に蓄積されやすい傾向があります」

内臓に集中的に溜まってしまった脂肪は、男の腹を見苦しく膨らませている黒幕といえよう。

「厚生労働省の国民健康・栄養調査によると‘80年から30代男性の平均体重は10kg近く増えています。
そして、その原因は実は『食べすぎ』ではなく『動かなさすぎ』。
なぜなら、摂取エネルギー自体は’80年のほうが240キロカロリーも多い。
日常生活で体を動かす機会が減少して現代人は消費カロリーが減って、肥満率が右肩上がりを続けていると考えられているのです」

便利な生活の代償として無意識のうちにカロリーを消費する機会を失った我々。
せり出た腹にはどう対処するべきなのだろうか。

「食事制限は最初のうちは手っ取り早く体重を減らしやすいのですが、体重だけ落としても、お腹の脂肪はしぶとく落ちにくいのです。また、無理な食事制限で怖いのが、リバウンドのリスクです」

呼吸や体温維持など、人がじっと横になっているだけで消費されるエネルギーである基礎代謝。成人男性の場合、一日1500キロカロリーほどといわれている。

「食べ物を減らしすぎると筋肉を分解してエネルギーや栄養素を取り出し始めます。
体が省エネモード、つまり低燃費の痩せにくい体になっていくのです。
食事を減らせば多少なりお腹は凹むでしょうが、それは食べすぎの人の話なんです。
細身の体型にもかかわらずお腹だけ気にする男性も多いように、根本的な問題は食べすぎではありません。
食事面からのアプローチだけだと、お腹を理想的に凹ますのは難しいと思います」

では、どのような対応が有効なのだろうか? 植森氏の指導は実にシンプルだ。

「正しくお腹を凹ませるだけで、実は筋トレ効果があります。
まずは30秒、背すじをしっかり伸ばした状態でお腹をできる限り凹ませてみましょう。
注意点は、肩を上げたり、背中を丸めないこと。呼吸はあくまでも普段のままで行うのがポイントです。
デスクワークの最中や通勤電車、歩きながらなど、こっそりいつでもできるので、時間がない人に特におすすめですよ」