エアロ塾   
 
※─※─※
毛穴が目立つ原因って?毛穴対策の勘違い
※─※─※


この時季になると汗や皮脂の分泌が盛んになるためか、急増する毛穴の悩み。

最近では、女性だけにとどまらず、男性でも毛穴に悩んでいる人が多いとか。
今回は、性別問わずに興味深い毛穴のお話です。

そもそも毛穴の役割って?

毛穴は身体を守るために必要な機能 肌の表面はまっ平らではなく、右の図のように規則的な隆起があります。

ひとつひとつの隆起を皮丘(ひきゅう)、その境目にあたる溝の部分を皮溝(ひこう)といいます。
理想の肌の条件にあげられる“キメの整った肌”というのは、この皮丘が規則正しく並び、皮溝も一定に美しく並んでいる状態をさします。

皮丘の大きさがばらばらだったり、ふぞろいだったりすると光の反射も均一でないため、くすんでみえたりするわけです。

そして肌には、汗の出口である汗孔、皮脂の出口でもある毛穴があります。
毛穴から分泌される皮脂は、汗と共に皮脂膜を作り肌を覆うことで水分を逃がさないはたらきを持っています。

また、汗にはこの皮脂膜を作る他にも、体温を調節するための発汗があります。汗を出すことで体温を下げているのは皆さんもご存知の通り。

逆に、毛穴をぎゅっと縮めて血管も収縮することで体温を下げないようにも働きますよね。

「毛穴なんてなければいいのに」なんて思うことも時にありますが、毛穴の開閉にはこんな重要な役割があったのです。

毛穴が目立つ原因とは?

部位によって数も開き具合も違う毛穴 毛穴が目立つ原因のひとつは、毛穴が開きっぱなしになっているからです。

皮脂を出すなど必要な時に開き、必要でないときはしっかり閉じる……これならさほど気にならない。
しかし、この毛穴の開閉コントロールがうまくできていないと、皮脂が出っ放しになってしまいます。
そして余分な皮脂が出口に栓をして、さらに酸化し黒ずむことで余計に毛穴が目立つ……という悪循環が発生するわけです。

もうひとつの原因は肌のたるみ。
たとえば伸縮性のある布などに、パンチで穴を開けたところを想像してみてください。
そのまま左右なり上下なりに引っ張ると、もともとの穴が縦長に広がってさらに大きく見えますよね。私たちの肌でも同じことがおこります。

肌の土台となり支えている真皮が衰えてしまうと、ちょうど梁を失った家の屋根のように、肌表面が重力にずるずると引っ張られて毛穴も広がる。
つまり毛穴が目立ってしまうということなのです。

「昔は毛穴を気にするほど感じなかったのに……」と思っている人は、この原因が大!
たるみが原因で広がっている毛穴は簡単にチェックできます。

鏡を見ながら頬に手のひらを添えて、ちょっと引っ張ってみる。

一時的に皮膚が張ることで毛穴が目立たなくなったら……たるみの可能性が高いです。
20代前半くらいまでは、皮脂分泌が盛んなために起こる「毛穴が開きっぱなし」が圧倒的多数。
年齢を重ね30代後半から40代になると、たるみが原因となることが多いようです。
そして、20代後半から30代前半にかけての時期は、皮脂量が増える上に年齢と共にじんわりとたるみが出始めるというダブルパンチの時。

「急に毛穴が目立つようになったなぁ~」とある日気付いても、原因はこれまでの積み重ねだったりもします。

また毛穴の数は、身体中同じではありません。
部位によって、数も違えば開き度合いも違います。
同じ顔の中でも、毛穴が目立つところと目立たないところがあるのはこのためです。
たとえばテカリや油浮きの悩みの多いTゾーン。
皮脂を分泌する毛穴が多い部分のひとつです。
逆に毛穴が目立たないのは、まぶたやお尻、二の腕の内側など。
皮脂量の少ない部位や、刺激を受けることが少ない部分は目立つ毛穴も少ないようです。

■毛穴ケアの勘違い その1
毛穴を引き締めないと
どんどん大きくなる?


よく、「毛穴が開きっぱなしだとどんどん大きくなるのでは? 」と思っている人がいますが、毛穴の大きさは生まれつきなので大きくなることはありません。

ただ、大きさそのものは変わらないものの、開きっぱなしの毛穴は汚れが溜り目立ちますし、その汚れによってニキビなどの炎症が起きた結果、大きく見えたりシミになったりで目立つことはあります。

その逆で、「毛穴を引き締めれば毛穴そのものが小さくなる」と思い込んでいる人も意外と多いもの。

開いた毛穴をちゃんと閉じられる機能を取り戻せば目立ちにくくなります。
持って生まれた毛穴の大小より、開く・閉じるの本来の機能が肝心なのです。

「毛穴の悩みをどうにかしたい」と思うなら、まずは洗顔から。
「ちゃんと洗顔してる?」と聞くと、たいていの人は「まあ、顔を洗うくらいはするよね」と答えますが、その洗顔が本当に“ちゃんと”できているかは結構危険です。
正しいクレンジングと洗顔法も参考にしてくださいね。

それから、「冷たい水をかければ毛穴が小さくなる」というのも、とりようによって危険です。
確かに温度が下がれば毛穴はキュッと縮こまるのですが、正しく開閉する力を取り戻しているわけではありません。
また、洗顔の際に毛穴が気になるからといって冷たい水で洗っていたら、汚れが十分に落ちないという可能性もあります。
顔の汚れをきれいにきちんと洗い落とすには、ぬるま湯での洗顔がおすすめです。
また、逆に熱すぎると、肌を乾燥させてしまうことでダメージにつながります。

■毛穴ケアの勘違い その2
とにかく毛穴を何とかしたい!
だから、紫外線や保湿には無関心


気になる部分を発見すると、そこだけに目がいきやすくなるのが人の常。
「何が何でも毛穴!」と一点集中したい気持ちは、ぐっと押さえて。
これまででもお話したように、肌の悩みは様々な原因が複雑に絡み合って生じること。
日ごろの紫外線対策、水分や栄養の補給を抜きにした毛穴対策は考えられません。

水分と油分のバランスを整えることで、毛穴の開閉機能がコントロールができる肌に整えたり、毛穴を目立たせない肌状態にすることが大切です。
毛穴の開閉機能を正常にすることは、毛穴の開閉トレーニングとでも言いましょうか。
空調が当たり前で、汗をかくことが少ない生活をしていると毛穴の開閉機能が鈍くなります。
流行の岩盤浴やホットヨガは、まさに毛穴のトレーニングもかねているといえますね。

■毛穴ケアの勘違い その3
毛穴を詰まらせる
角栓取りに燃える!


健康な肌は、皮脂が定期的に出て汗と混じって皮脂膜という天然のクリームを作り、肌を覆い守っています。
この出るべき皮脂がスムーズに肌表面に排出されず、毛穴につまりぎゅうぎゅう詰めになり固まってしまったのが角栓の正体です。
押し出したいんだけど、先が詰まって出て行ってくれない。
要は毛穴の便秘です。

しかし、「毛穴が詰まっているから」とニキビや炎症が起こりやすくなると思って、指でむにゅっとしながら角栓を押し出そうとする行為。
無理に押し出すのは、絶対にNG! です。
物理的に押し出さなくても、洗顔の泡で十分落ちます。

それでも落とせないものを無理やり力づくで取らないで。
自然に押し出せるように、肌の代謝機能を整えましょう。
ただでさえ代謝が悪いところに、余分な皮脂を押し出す力が弱く、余分なものがいつまでも詰まっていれば当然炎症が起こります。

こんな時は、つい「早く押し出したい」と思うでしょうが、周りから強制的に爪や押し出す圧力が刺激となって周囲が炎症を起こします。