気象庁は、2013年5月29日、平年より10日ほど早い関東甲信地方の梅雨入りを発表し、いよいよ梅雨本番が到来。
食中毒を引き起こす原因は「細菌」「ウイルス」「自然毒」など様々ですが、梅雨から夏季は食中毒を引き起こす細菌が好む高温多湿の環境となり活発に増殖する為、細菌性の食中毒被害が多数報告され大きなニュースになる。
細菌性の食中毒では、年間患者数の65.6%が、6〜9月に報告されているのだ。
梅雨〜夏季には、細菌性食中毒は約2.4倍にもなる。
薬用せっけんの「ミューズ」を展開するレキットベンキーザー・ジャパンの調査によると、石けんなどを使った手洗いの徹底率は、プロの料理人96.6%に対し、主婦は59.7%と大きな差があることがわかった。
食中毒は、その原因として、
(1)細菌性食中毒、
(2)ウイルス性食中毒、
(3)化学性食中毒、
(4)自然毒食中毒、
その他に大きく分けられる。
中でも、梅雨〜夏の高温多湿の時期に多発するのは、カンピロバクターや腸管出血性大腸菌などが原因となる細菌性の食中毒。
厚生労働省が発表した「平成24年(2012年)食中毒発生状況」でも、細菌性食中毒について見てみると、1〜5月および10〜12月は月当たりの平均発生件数が 24件であるのに対し、6月が65件、7月が53件、8月57件、9月52件となっており、平均56.7件と、約2.4倍の発生率だった。
衛生管理の水準が高い日本でも、非常に多くの食中毒が発生している。
■食中毒予防の三原則は「付けない」「増やさない」「やっつける」
ただ、あらゆるところに原因となる細菌は存在しており、ある程度付いてしまうのは仕方のないこと。
そのため、細菌やウイルスが付いてしまった場合には、それが増えるのを阻止(「増やさない」)ことが重要だ。
また、「増やさない」こと以上に重要なのが、口には入るまでに微生物を「やっつける」こと。
この「付けない」「増やさない」「やっつける」ことの3つが、食中毒予防の三原則。特に、家庭での対策として認識が不足しているのは、「付けない」ための対策。
「付けない」ための第一歩として大切なのは、正しい手洗いの励行だ。
手洗いポイント時には、石鹸をつけてよく泡だて、30秒程度の時間をかけて隅々まで洗うことが重要だ。
その後、流水で石鹸をよく洗い流し、清潔なタオルで、きちんと手を拭いて乾燥させよう。
<手洗いの時の注意点>
1. 手を洗う前は、腕時計やアクセサリーは外す。
2. お子さんが手を洗う時には、大人が付き添い、確認をすることが重要。
3. タオルはひとりずつ個人用に、清潔なものを用意する。
4. 特に汚れが落ちにくい、指の先、手首、親指、手のしわに注意。
主婦の手洗い意識の低さが明らかになったが、手洗い時にハンドソープなどの石けんを使用しない場合、食中毒の原因となる細菌が手に残ってしまう可能性がある。
細菌の繁殖が活発となるこれからの季節、正しい手洗いから食中毒対策を始めたい。