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ウォーミングアップ(予備動作)の本質
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ウォーミングアップ(予備動作)の本質
実際のスポーツ現場では、W-UPが様々な解釈で捉えられているように思えます。
これは指導される方のW-UPに対する考え方によって、その時間や強度,種目が変化することに関係しています。
一般的には、「W-UPは念入りに時間をかけて行うもの」という概念が正しいとされ、教科書や文献にも類似したことが記載されています。
では、なぜW-UPをおこなうのでしょうか?
W-UPを重要と考えるならば、何が重要でどのような準備が必要なのでしょうか。
これを理解していなくて効果的なW-UPが行えるとは誰も思わないでしょう。
従ってW-UPの本質を理解するためにも、まずはその目的をしっかりと把握するところから始めるようにしていきましょう。
①ウォーミングアップの目的
●体温を上げる
体温が上昇することで血液の循環がよくなり、酸素の取り込みがスムーズになって、身体の協調性を高めることができます。
いきなり走り出して脇腹が痛くなることがありますが、これは横隔膜の酸素不足が原因であり、W-UP不足の信号ともいえます。
●柔軟性を高める
体温が上昇することによってある程度の柔軟性が確保でき、
さらにストレッチングを行うことでより可動域を高めることができます。
●各スポーツで必要とされる動作の予行練習
これから行う動作を予行練習しておくことで、本番動作の反応を高めることができます。
脳だけで理解するのではなく、体にも「これからこんな運動するよ」と教えてあげることで、急激な動作による傷害も防ぐことができます。
●心肺機能の準備
心肺機能は筋肉と同様に、急激な運動にベストな状態で対応できません。
自動車などのエンジンに例えるなら、アイドリングが必要だということです。
いきなりフルアクセルでは人間も車も壊れてしまいます。
一度は心拍数を通常以上にし、心肺機能を激しい運動に順応させましょう。
●集中力を高める
W-UPを行うことによって、身体的準備はもちろんのこと心理的準備の効果もあります。
これから試合や練習だという気持ちの切り替えや、チーム全体,各個人で気持ちを高めたり静めたりと、
心理的な調節をするのにいい時間帯となります。
●コンディションの把握
W-UPの時間内でその日の体調を把握し、試合や練習開始までの時間で調整します。
また、調整は体調に限ったことだけではなく、ピッチや天候などの環境のコンディションも把握するようにします。